2025/7/6 09:00

【実録】芸能人AI・社長AI開発で直面した、個人制作では絶対に分からない3つの壁

  • 生成AIコラム

こんにちは。株式会社こころみの森山です。

突然ですが、あなたは今、こんなことを考えていませんか?

  • 「うちの社長のAIを作って、社員研修に使えないかな?」

  • 「人気キャラクターのAI化で、ファンとの接点を増やしたい」

  • 「著名人のAI化で、マーケティングに革命を起こしたい」

最近、SNSや技術ブログでは「ChatGPTで○○AIを作ってみた!」という投稿を頻繁に目にします。

確かに、個人で楽しむレベルであれば、プロンプトを工夫することで「それっぽい」AIは作れてしまいます。

しかし、森永乳業様の「褒めらレーニア - サラバ青春の光 森田さんAI」プロジェクトや、その他、芸能人AI・社長AIを実際に手がけてみて、個人レベルと企業レベルの間には想像以上に深い溝があることを実感しました。

今日は、その現実をお伝えしたいと思います。

ちなみに、「褒めらレーニア」はもう終了していますが、こんな企画でした。

目次

「個人で楽しむAI」と「企業で使うAI」の決定的な違い

noteやX(ex-Twitter)を見ていると、「○○AIを作ってみた!」という投稿をよく見かけます。

確かに、個人で楽しむレベルであれば、ChatGPTにプロンプトを入力するだけで、それなりに「らしい」AIは作れます。

特に、有名な人物、ネット上に情報が十分にある人物であれば、名前を指定するだけで ChatGPTなど生成AIはだいたいわかってくれます。

あなたは、日本のお笑いコンビ「千鳥」のノブとして振る舞ってください。
常にノブらしいキャラクターと独特のテンションを保ち、
以下の特徴や口癖、会話スタイルを忠実に再現してください。
自分がAIであることは一切触れず、完全にノブ本人として振る舞うこと。

こんな感じで、1分もあれば完成です。

でも、これを企業の公式サービスとして出せますか?

企業レベルの特定人物AI開発では、個人利用では考慮する必要のない課題が山積しています:

企業利用で直面する課題

  • プロンプトインジェクションで想定外の発言をしてしまうリスク

  • 政治・宗教的な発言による炎上リスク

  • 企業のブランドイメージを損なう発言リスク

  • ユーザーの悪意ある入力への対応

  • 法的・コンプライアンス要件への対応

これまでの企業案件で学んだ「企業レベル」開発の現実

これまで手がけてきた企業様の特定人物AIプロジェクトでは、表面的にはシンプルに見える要件でも、実際には複雑な課題が山積していました。

典型的なプロジェクト要件

  • 目的: ブランドプロモーション・社内研修・顧客エンゲージメント向上

  • 機能: 特定人物らしい自然な会話・相談対応・エンターテイメント

  • 制約: 企業公式サービスとして炎上リスクを最小化

表面的にはシンプルに見えるが...

「ユーザーの入力に対して、○○さんらしく応答する」

これだけ聞くと簡単そうですよね?

でも実際の開発では:

  1. その人の「らしさ」をどう定義・実装するか?

  • 動画・音声分析から口癖・話し方パターンを抽出

  • 過去の発言・著書から思考パターンを言語化

  • キャラクター性と自然さのバランス調整

  • 応答品質をどう担保するか?

  • 定型文ではない、文脈に応じた個別性のある応答

  • その人らしいユーモアや間の表現

  • 適切な文章量とテンポの調整

  • 企業リスクをどう回避するか?

  • 政治・宗教・社会問題への言及回避

  • 特定個人・企業・商品への批判回避

  • 不適切な入力に対する適切な対応設計

「個人レベル」と「企業レベル」の圧倒的な違い

個人利用レベルと企業利用レベルの間には、技術的にもビジネス的にも大きな溝があります。

技術的な違い

  • プロンプト - 「らしい」応答をするだけでなく、企画として実現したい目的(ネタ、相談、etc)を実現し、同時に、言わせてはいけない発話を制御するための記述

  • テストケース - 何度かのテストで「らしさ」を確認するだけでなく、プロンプトやモデルの変更のたびに、数十〜数百パターンのテストケースを自動テストで品質確認

ビジネス的な違い

  • リスクコントロール - 企業のブランド、芸能人・社長本人のレピュテーション、企業サービスに関する法的規制などの保護・遵守

  • 回答精度 - 個人で楽しむレベル以上の、企画の目的にそった「面白さ」「正確さ」「納得感」

実際の「企業レベル」の開発で注意すべきポイントの一部を公開

これまでの企業プロジェクトで培った技術の一部をお見せします。

1. 実在の人物の個性を表現

  • 動画・対談記事から、口癖、口調、文量を抽出

# 口調の例
- へえ、ほおぉ、そうかぁ
- ま、ええんちゃう?知らんけど
- ま、よかったんちゃう?
- 嘘つけや!
- え、なんかええな
- これやばいやん、誰やねんこれ
- これめっちゃええやろ
# ○○の話し方
- 敬語は使わない
- 一人称は「ボク」
- 話の仕方や組み立て方
  1. 簡潔に結論を述べる
  2. 自分の考えをはっきり言う。
- 1回の応答は文字数は150文字程度までと簡潔にする

2. ユーザー体験の設計

  • 音声会話 or 文字チャットなどユーザーインターフェースにあわせた会話調整

(音声で会話するAIの例)
- 箇条書きや、「以下のとおり」など文字向け表現は不可。
- 長い一方的な発話は不自然になるので、10秒以内で発話できる簡潔な会話を目指す。

3. 品質テストの自動化

数十〜数百パターンのテストケースを用意し、調整後に全テストを実行:

  • 言わせたい典型例: xxパターン

  • 言わせたくない危険例: xxパターン

  • プロンプトインジェクション: xxパターン

でも、これでもまだ「氷山の一角」です

今回お見せしたのは、これまでの開発経験で培った技術のほんの一部です。

実際の企業レベル開発では、さらに深いレベルでの調整が必要でした:

  • ユーザー体験設計に基づくレスポンス最適化

  • 業界別コンプライアンス要件に応じたリスク回避戦略

  • LLMモデル選択による品質・コスト最適化

  • 継続的改善のためのログ分析・チューニング手法

「作りたいけど、企業レベルでの開発方法がわからない」あなたに

この記事を読んでいるあなたは、おそらく以下のような状況にあるのではないでしょうか:

✅ 特定人物のAI化企画があるが、企業レベルでの技術的ハードルが不明
✅ ChatGPTで試作してみたが、企業レベルでは使えないと感じている
✅ 開発コストや期間の目安がわからない
✅ リスク管理の方法が具体的にわからない
✅ 実際の成功事例の詳細なノウハウが知りたい

これらの課題にお答えできる機会があります。

「社長AI・芸能人AI構築 実践セミナー」開催決定

これまでの企業プロジェクトで得た知見を、より多くの方に共有したいと思い、セミナーを開催することになりました。

AIエージェント構築実践セミナー第20弾 ~社長AI・芸能人AIを作る~ #miiboseminar【再放送& LIVE Q&A】

セミナーで学べること

  1. 実在人物の個性をどう表現するか

  2. ユーザー体験の設計

  3. リスクや限界への配慮

  4. テストとチューニング

開催概要

  • 日時: 2025年7月16日(水)12:00~13:15

  • 形式: オンライン(Zoom)

  • 参加費: 無料

🎁 参加特典

  1. セミナー説明資料

  2. AIエージェント導入無料相談

最後に:「簡単そう」と「実際の開発」の間にある壁を越えるために

生成AIの普及で、確かに「それっぽいAI」を作るハードルは大幅に下がりました。

でも、「それっぽい」と「企業で使える」の間には、まだまだ大きな壁があります。

私たちも、この壁の高さを日々実感しながら、企業様のプロジェクトに取り組んでいます。

「作りたいものがある」
「でも、企業レベルでどこから手をつければいいかわからない」

そんなあなたのために、このセミナーを企画しました。

🚀 今すぐやってみたい方へ

セミナー参加申し込みは、以下のリンクから:

AIエージェント構築実践セミナー第20弾 ~社長AI・芸能人AIを作る~ #miiboseminar【再放送& LIVE Q&A】


質問・相談がある方は、お気軽にコメントやDMでお声がけください!

「特定人物AI」を作りたい方はぜひ一度ご相談ください🤝

こちらのサイトでもご相談いただけます。

社長AI・芸能人AI |  Deeplistening+ Robotics

株式会社こころみ 取締役COO 森山 裕之

外資系エンタープライズ企業、国内スタートアップ、外資系スタートアップなどを経て今はAIエージェント開発をしています。IT、人事、カスタマーサポート、カスタマーサクセス、マーケティングを経て今は生成AI。

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