2025/9/26 03:00

AI×デジタルヒューマンで営業研修が変わる|ロールプレイ実演レポート

  • セミナーレポート

2025年9月25日、株式会社こころみとデジタルヒューマン株式会社は、営業トレーニングの新しい形を提案するオンラインセミナーを開催しました。本セミナーは、営業育成の課題解決を目指す経営者や営業マネージャー、教育担当者を対象としたものです。

本レポートでは、従来の営業研修が抱える属人化や練習機会の不足といった課題に対し、AIとデジタルヒューマンを組み合わせた解決策を紹介します。セミナーでは、製造業の社長を想定した仮想顧客との実際のロールプレイデモが行われ、会話終了後に自動評価とフィードバックが提供される様子が公開されました。さらに、デル・テクノロジーズ、明治安田生命などの導入事例を交え、営業DX推進の具体的な方法と、POCから本格導入までのステップが説明されました。

セミナー概要|営業育成の新たな可能性を探る50分

2025年9月25日12時から13時15分にかけて、「営業ロールプレイの"新しい相手"は、AI×デジタルヒューマン」と題したオンラインセミナーが開催されました。

イベント名は「営業ロールプレイの"新しい相手"は、AI×デジタルヒューマン 〜営業スキルを磨く壁打ちパートナーが、ついに現実に〜」です。開催場所はZoomを使用したオンライン形式で、全国どこからでも参加可能な環境が整えられました。開催日時は2025年9月25日木曜日の12時00分から13時15分までの75分間です。

対象者は営業育成に課題を感じている営業マネージャーや経営者、属人化しやすい営業スキルを標準化したい教育担当者、営業DXを推進する企画・事業開発部門の担当者でした。セミナー参加者にはアンケート回答を条件に、講演資料PDFと2週間の無料デモ環境へのアクセスが提供されました。

登壇者紹介|会話型AI構築とデジタルヒューマン技術の専門家

セミナーには2社から2名の専門家が登壇し、それぞれの専門領域から営業ロールプレイソリューションを解説しました。

デジタルヒューマン株式会社からは代表取締役の荒尾和宏氏が登壇しました。荒尾氏は、グローバル企業UneeQと2020年から事業を展開し、「人とデジタルヒューマンが共存する世界を創造する」というビジョンのもと、KDDI、明治安田生命、デル・テクノロジーズなど大手企業へのデジタルヒューマン導入を推進してきた実績を持ちます。

株式会社こころみからは森山裕之氏が登壇しました。森山氏は、高齢者向け会話サービスからスタートし、ロボット向け会話シナリオ開発を経て、現在は生成AIを活用したエージェント構築サービスを提供する会話設計の専門家です。今回のセミナーでは、森山氏が構築したエージェントとデジタルヒューマンを組み合わせたデモ環境が実演されました。

営業トレーニングが抱える3つの構造的課題

従来の営業トレーニングには、時間とリソースの制約、属人化、実践機会の不足という3つの大きな課題が存在します。

第1の課題は、OJTや座学では時間やリソースが限られることです。先輩社員が後輩を指導する時間には限界があり、教えられる機会や件数にも制約があります。

第2の課題は、トレーニング効果が属人的になることです。教え方によって効果に差が生じ、成果を定量的に測ることが難しく、継続的で体系的なスキル育成が困難になります。

第3の課題は、様々な顧客タイプに対応する練習機会が限られることです。特に新人にとって、経営者層との対話経験を積むことは容易ではありません。社内での練習では緊張感が薄く、実際の顧客が何を聞いてくるかわからない状況を再現できません。

これらの課題に対し、AIとデジタルヒューマンを組み合わせることで、繰り返し練習できる環境の提供、定量的なフィードバック、本番に近い対話体験の実現が可能になります。

デジタルヒューマン技術|生成AIで動く次世代インターフェース

デジタルヒューマン市場は2024年から2025年にかけて145.7%増という急成長を遂げています。

市場動向について、ITRの調査によると、デジタルヒューマン市場の売上は2024年から2025年にかけて145.7%増加する見込みです。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOも2024年のコンピューテックスでデジタルヒューマン技術の可能性を発表し、世界的な注目を集めています。

技術の特徴として、デジタルヒューマンは生成AIから直接コントロールできる点が挙げられます。音声認識でテキスト化された発話内容を生成AIが処理し、その応答を1秒以内に音声合成とアニメーション化して配信する仕組みです。感情表現や発話中の画像・動画表示など、単なる動画生成以上の機能を持ち、リアルな会話体験を提供できます。

国内外の導入事例として、国内ではKDDI、明治安田生命、日鉄ソリューションズが利用しており、グローバルではデル・テクノロジーズが採用しています。日鉄ソリューションズでは社長のデジタルヒューマンを作成し、生命保険会社ではブランディングに合わせたキャラクターを開発しました。これらは顧客接点のある業務で活用されており、今回は特に営業ロールプレイに焦点が当てられています。

実演デモ|AIトレーナー「エミリ」との営業ロールプレイ

セミナーの中核となったのは、実際のデモンストレーションです。

デモの前提設定として、今回のシステムは汎用的に使えるよう設計されています。商材、業種、顧客の設定を最初に行い、ロールプレイの応答は10往復程度まで続きます。特定の業界知識は入れず、評価軸も一般的な営業スキルに基づいています。

ロールプレイの流れは次のとおりです。まず、AIトレーナー「エミリ」が登場し、商談テーマの設定を行います。デモでは「経営コンサルを製造業の中小企業に提案する」というテーマが選ばれました。次に、製造業の社長役のデジタルヒューマンとの対話が始まります。森山氏が経営コンサルタント役として、材料費や間接費のコスト削減(約10%)を提案し、社長役のAIがそれに対して質問や懸念を示すやり取りが行われました。

会話のポイントとして、AIは「材料費や電気代が上がって悩みは多い」「取引の長い業者さんも多いので単純にコストだけで切り替えるのは難しい」といった現実的な反応を示しました。これに対し、森山氏は既存取引先への価格交渉支援や、10%のコスト削減見込みといった具体的な提案を行いました。会話は自然な流れで進み、最終的に「資料を準備して改めて時間を取りたい」という次回アポイントの合意に至りました。

自動評価機能|会話を即座に分析してスコア化

ロールプレイ終了後、AIは会話内容を自動的に分析し、評価とフィードバックを提供します。

評価項目は5つに分かれています。オープニング・関係構築、ニーズ把握、提案・価値訴求、クロージング、全体的な会話バランスと説明の明瞭さです。今回のデモでは、オープニングが8点、ニーズ把握が7点、提案が8点といったスコアが付けられました。

フィードバックの内容は定量的な点数と定性的なコメントの両方で構成されます。例えば「最初のご挨拶と丁寧なリスペクトを表す部分はとても自然でした」という良かった点と、「もう少し『何に一番困っていますか?』など深掘りの質問が加わるとさらに良くなります」という改善点が具体的に示されました。

評価の仕組みとして、会話は全て記録され、口癖や言い淀みなども含めた分析が可能です。テキストには現れない素の言葉や言い間違えも判定できる点が、音声ベースのロールプレイのメリットです。一定の基準に基づいて客観的なフィードバックが提供されるため、やればやるだけ成長を実感でき、本人も何が足りないのかを把握しやすくなります。

企業向けカスタマイズ|業界特化型の設定が可能

今回のデモは汎用的なモデルでしたが、企業の実情に合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。

業界知識のカスタマイズとして、特定の業界知識を組み込むことができます。例えば製造業、金融業、IT業界など、それぞれの専門用語や商習慣を反映させたロールプレイが実現できます。

顧客キャラクターのカスタマイズとして、顧客の役職に合わせたキャラクター設定が可能です。経営者層であれば経営者らしい質問や懸念、現場担当者であれば実務的な質問といった具合に、対話の質を調整できます。

評価基準のカスタマイズとして、企業独自の評価基準を導入できます。例えば外資系企業でよく使われるBANT情報(Budget、Authority、Needs、Timeframe)のヒアリングができたかどうかを評価項目に加えることも可能です。

営業以外への応用として、このシステムはコールセンターの応対練習や、医師と患者の問診練習など、様々な業務のロールプレイに応用できます。仕事の中でコミュニケーションが発生する場面であれば、幅広く活用できる汎用性があります。

導入企業の実例|デル・テクノロジーズなどが先行採用

営業DXを進める企業が、デジタルヒューマンを活用した営業トレーニングを導入しています。

グローバル企業の事例として、デル・テクノロジーズはUneeQのセールスロールプレイプロダクトを利用しています。パソコンを世界展開する同社は、営業トレーニングの標準化と効率化を実現しました。

業界全体の動向として、国内ではみずほ銀行がAIを使った営業ロールプレイトレーニングを導入しており、その取り組みがニュースでも取り上げられています。金融業界においても、営業DXの一環としてAI活用が進んでいることがわかります。

今後の展開として、デジタルヒューマンとAIの組み合わせは営業ロールプレイだけでなく、様々な用途に活用できる可能性があります。顧客接点のある業務全般において、トレーニングの質を高め、属人化を防ぐツールとして期待されています。

参加者の声|営業育成の実務担当者から高評価

セミナーには営業マネージャー、人事・人材開発担当者、組織開発担当者など、多様な立場の参加者が集まりました。

営業育成の現場からは、OJT中の営業担当者から「実際の営業シーンで活用できそう」という声が寄せられました。営業トレーニングの実務に携わる参加者からは、デジタルヒューマンとAIを組み合わせたロールプレイの実用性が評価されています。

人材開発・組織開発の視点からは、「AIとデジタルヒューマンの組み合わせによる新しい教育手法に興味を持った」というコメントがありました。従来の研修手法では難しかった、繰り返し練習と客観的評価の両立に期待が寄せられています。

技術活用の可能性については、「自社でのデジタルヒューマン活用を検討している」という声も上がりました。営業ロールプレイだけでなく、コールセンター応対や顧客対応など、幅広い用途への応用可能性に関心が集まっています。

導入までのステップ|2週間無料デモから本格導入まで

セミナー参加者には、実際にシステムを体験できる機会が提供されました。

無料デモ環境の提供として、セミナー後のアンケートに回答した参加者には、2週間の無料デモ環境へのアクセスが案内されました。実名不要で実際に会話を体験でき、会話した内容を確認できるスプレッドシートも閲覧可能です。社内での利用に限り、他の社員への展開も認められています。

個別相談会の案内として、無料の個別相談会が実施されます。企業の課題や「こんなことを考えているができるのか」といった初期段階の相談も歓迎されており、導入に繋がらなくても気軽に相談できる場が設けられています。

本格導入のステップとして、要件確認、見積もり、POC(1〜3ヶ月)、導入・伴走という流れになります。POCについては、まず小規模で作って試すことが推奨されており、比較的小さな予算で1〜2ヶ月程度で形にすることが可能です。株式会社こころみは会話設計に強みを持つパートナーとして、柔軟なシステム構築と伴走支援を提供します。

まとめ|営業トレーニングの新時代が始まる

AIとデジタルヒューマンを組み合わせた営業ロールプレイシステムは、従来の営業研修が抱えていた課題を解決する新しいソリューションです。デモでは製造業の社長を想定した実践的なロールプレイが披露され、会話終了後には自動評価とフィードバックが提供されました。デル・テクノロジーズなどの導入事例が示すように、営業DXの有効な手段として期待が高まっています。

セミナー参加者には2週間の無料デモ環境が提供され、実際にシステムを体験する機会が用意されました。企業の実情に合わせた業界知識の組み込み、顧客キャラクターの設定、評価基準のカスタマイズが可能で、営業以外の分野にも応用できる汎用性があります。

会話型AI、デジタルヒューマンの導入をご検討中の方は、株式会社こころみまたはデジタルヒューマン株式会社にお問い合わせください。営業力強化の新しい一歩を、AIとともに踏み出しませんか。

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セミナー動画紹介

株式会社こころみ miiboDesigner 岡 大徳

岡大徳

会話型AI構築プラットフォームmiiboでのAIエージェント構築実績を多数持ち、miiboの機能と活用方法に精通したライター。企業向けにmiiboの最新機能、実践的な活用事例、AI導入のノウハウについて情報を発信し、業務効率化とDX推進を支援している。

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